なぜ作ったのか

現在の AI ツールのほとんどは、出力がテキストです。スプレッドシートを分析して — 行を並べ替えたり、合計を求めたり、予測を立てたりしても — 結果はチャット上の markdown テーブルとして返ってきます。それを実際に活用するためには、自分でスプレッドシートにコピペしなければなりません。

ReoGrid Studio はこのギャップを埋めます。studio.reogrid.net でホストされるブラウザ上のスプレッドシートで、MCP(Model Context Protocol)経由で任意の AI エージェントから書き込める、匿名アクセス可能な公開エンドポイントを備えています。AI がスプレッドシートを組み立て、短い URL を受け取って、それをそのまま返してくる。受け取った人はその URL を開けば、ライブで操作可能なスプレッドシート — 選択・絞り込み・コピー・共有が可能な状態 — を目にすることになります。


2 つの役割

ReoGrid Studio には 2 つの役割がありますが、両者は対等ではありません。

1. 自然言語によるオーサリング

studio.reogrid.net を開き、欲しいものをそのまま入力すれば、スプレッドシートが現れます。

「Q1 の売上サマリを作って。3 地域、月次合計、SUM 列付きで」

グリッドはその場でレンダリングされます。チャットを通じて改善し、公開 ボタンで短い URL を発行して共有できます。これは入り口となる役割です。

2. AI 向けの可視化エンドポイント(本命の役割)

こちらが Studio 戦略の中核です。データを分析した任意の AI が、その結果を本物のスプレッドシートとして公開し、ユーザーに URL を渡せるようになります。

これは MCP 経由で実装されています。Claude Code、Claude Desktop、Cursor、あるいは Anthropic API を使った任意のアプリケーション、いずれの AI クライアントも https://api-studio.reogrid.net/studio/mcp に接続することで、次の操作が可能になります。

  1. スプレッドシートのスキーマ(セル、スタイル、数式、フィルタ、固定枠など)を読み取る
  2. 分析したデータから ReoGridJsonDocument を構築する
  3. 公開する — 公開 URL を受け取る
  4. URL をユーザーに渡す

実例

以下はバリデーション中に生成されたものです。事前のお膳立ては一切なし — AI にタスクだけを与え、Studio のインターフェースは自律的に発見させました。

  • Claude に Q1 のカスタマーサポート問い合わせ件数を集計してもらった例 → studio.reogrid.net/demoSalesH126A(タイトル行、ヘッダーの固定、15 個の数式、7 個のスタイル)
  • Claude に現実的なエンジニアリングバックログをヘッダーフィルタ付きで生成してもらった例 → studio.reogrid.net/demoInvFilter1(フィルタ、縞模様の行、優先度や担当者のばらつき)

比較用に、より高度な機能を使って手作りした例も用意しています。

実際にクリックして動かしてみてください。セル選択は動作しますし、⌘+C は書式付きでコピーします(Numbers、Excel、Google スプレッドシートに貼り付けてもスタイルが維持されます)。フィルタのドロップダウンで行を絞り込めますし、固定枠はスクロール中も保たれます。


現時点でサポートされている機能

ワイヤフォーマットには @reogrid/pro の標準フォーマットである ReoGridJsonDocument をそのまま採用しています — ブラウザで ReoGrid を駆動しているのと同じ JSON です。Studio がリリース時点でサポートする機能は次のとおりです。

カテゴリ
コアセル値、Excel 形式の数式、共有スタイル、結合セル、罫線
レイアウト行・列の固定、カスタム行高/列幅、縞模様の行
数値カスタム数値書式(通貨、日付、パーセント、指数表記)
インタラクションヘッダー範囲への自動フィルタ、ソート、オートフィル、範囲のコピー&ペースト
セルタイプチェックボックス、ドロップダウン、評価(★)、プログレスバー、スパークライン、ハイパーリンク、ボタン
条件付きカラースケール、データバー、値ベースのハイライト、上位 N 件
リッチ表現リッチテキスト(セル内で太字/斜体/色を混在)、アウトラインのグループ化

公開ビューアは インタラクティブな読み取り専用 です。閲覧者は選択、スクロール、コピー、ソート、フィルタ、ウィジェットのクリックが可能ですが、公開されたデータを書き換えることはできません。これは「共有リンク」ビューにふさわしい形です。受け取った人は自由に探索し、必要なものを持ち帰ることができ、目にしているものは公開時点のスナップショットだと信頼できます。


無料・匿名・レート制限付き

ReoGrid Studio は現在、完全に無料でご利用いただけます。ログイン、API キー、利用枠の交渉、いずれも必要ありません。

唯一の制限として、IP 単位で 1 時間あたり 30 回までの公開回数制限を設けています。これは匿名アクセスを健全に保つための措置です。公開されたシートは無期限に保持され、短縮 URL は flickr-base58 形式の 14 文字(例: 9mkzWpAibo4K34)です。

クォータを引き上げたチーム向けの商用プランも将来的にロードマップに入っていますが、具体的な価格設定とパッケージングはあえて Phase 2 の課題として後回しにしています — AI ツールとの連携を広げていく間は、参入障壁をゼロのまま維持します。


あなたのスタックへの組み込み方

構築中の AI アプリにおけるフローは次のようになります。

あなたのアプリ ──► AI による分析 ──► publish_sheet(doc) ──► { url }
                                                              │
                                                              ▼
                          ユーザーが https://studio.reogrid.net/{shortId} を開く

AI が分析を行い、MCP を呼び出し、URL を受け取って、その URL をユーザーへの返信に含めるだけ。ユーザーはリンクをクリックする。これだけです。あなた側で組み込む SDK も、ホスティングするインフラも、データエクスポートのパイプラインも必要ありません。


今すぐ試す

AI が分析できるものなら、そのまま実用に耐える本物のスプレッドシートとして表示できるようになりました。


ReoGrid Studio は、ReoGrid (.NET) のブラウザネイティブな兄弟分である ReoGrid Web (@reogrid/pro) の上に構築されています。共通の ReoGridJsonDocument フォーマットを採用しているため、Studio から公開したシートは任意の @reogrid/pro デプロイで読み込み可能ですし、その逆も同じです。